引っ越し業界が呑みこまれる働き方改革の波〜1つのニュースから考えてみました〜

1.政府の働き方改革


最近、お仕事から早く帰ってくるようになったけど何かあったの?

 

パパの会社に限らず、世の中では「働き方を改革しよう」という動きが盛んになっているんだよ。例えば首相官邸には「働き方改革実現会議」が設置されて、本格的な議論を始めているよ。

首相官邸ホームページより引用)

 

あ、安倍総理が議論に加わっているんだね。どんな議論をしているの。

 

安倍総理は「日本の働き方を変える」と言っている。具体的には「正規社員・非正規社員の不合理な処遇の差」、「単線型でじぶんの働き方やライフステージにあった転職がしにくい日本のキャリアパス」、そして「長時間労働」という課題を解決していこうとしているんだ。パパが早く帰ってくるようになったのは、3つ目の「長時間労働」を会社が見直し始めているからなんだ。

首相官邸ホームページより引用)

 


早く帰ってこれるからいいね。

 

実は一緒に働く人が増えていないから、仕事量は変わっていないんだ。だから、早く帰ってもやるべき仕事が残っていたり、まだまだ問題は多い。でも、これまでの働き方を見直す良い機会になるし、政府が目指す方向性について、反対する人はきっと少ないと思うよ。

 

2.引っ越し業界が呑みこまれる働き方改革の波

 


今年の春にこんなニュースがあったのを知ってるかい?日テレニュース24より引用)「引っ越し業界大手のアート引っ越しセンターが3月下旬から4月上旬の2週間について受注件数を前年比2割減で抑制する方針を発表した」というニュースだよ。

 


パパの会社だけじゃなくて、引っ越し会社も長時間労働を見直そうとしているんだね。

 


そう、世の中全体で人手不足は深刻なんだけど、特に運輸業の人員確保は難しくなっているんだ。例えばアート引越センターは年間の受注量の約3割が3月、4月に集中しているんだ。どうしても業務が増えてしまう3月、4月の長時間労働を少なくしたいという狙いがあるんだ。

 


パパみたいに早く帰れるようになるといいよね。

 

そうだね。でも、3月、4月に引っ越しが多いこと自体は変わらないから、アート引越センターが請けなかった分の仕事は他社がたくさん引き受けているという予測もできるんだ。

 


そっか、その分は他の会社が受けることになるよね。

 


例えば、サカイ引っ越しセンターはこの3月に売上対前年比114.9%と伸ばしている。ラクッとNAVIの横川さんはあくまで私見としながらも、こう分析しているよ。「アートさんが減らした、33,600件という引っ越し件数の多くが、サカイ引っ越しセンターさんをはじめとした、引っ越しし専業の会社へ流れた結果、引っ越しし専業の企業は今年の3月は、過去にないほどの売上高となったと予想されます」(引っ越ししラクッとNAVI 目指せ!引っ越しマエストロより引用 )

「繁忙期の労働環境が過酷になる」のはアートさんに限らず業界全体に言えることなんだ。今年の春は他社が同調することはなかったけど、来春はどうなるかわからない。もしかしたら引っ越し業界全体が働き方改革の波にのまれて変わっていくかもしれないよ。

 


そうだね、パパの会社が変わり始めているように、どの会社も長時間労働を減らす動きをしていくかもしれないね。

 

太郎くんは「働き方改革」についてはどう思う?

 


パパが早く帰ってこれるようになったし、大賛成だよ。

 


じゃぁ、例えば太郎くんが来年の3月に引っ越しをしようとしたときに、引っ越し会社から「この時期は仕事を受けられません」と断られてしまったらどう思う?

 


うーん、ちょっと困っちゃうな。

 

そうだよね、自分に直接関係しなければ大いに賛成だと思うけど、自分が影響を受ける当事者になったら考えてしまうかもしれないね。

 

引っ越し業界に限らず誰かの働き方が変わることを期待するだけでなく、自分たちの生き方や働き方を変えることも必要かもしれない。例えば「繁忙期に引っ越しをしなければならない」という生き方や働き方を変えることはできないか考えてみよう。

 

 

3.私たちの生き方・働き方改革①進学


「3月から4月の繁忙期の引っ越し」って結構あるよね。どんな場合があるかな。

 


あ、ぼくが将来遠くの大学に進学するとしたら、3月末に引っ越しするかもしれない。

 


ほとんどの学校は「入学式は4月」だね。うちから通えない学校に進学したら繁忙期の引っ越しが必須だな。でもね、東京大学が秋入学への全面移行を検討して、他の大学もその動向を注目していた時期があったんだよ。

 


東大に受かる自信はないけど、そんなことがあったの?

 


検討はしていたんだけど、結局のところ採用されなかったんだ。「東大、15年度末までに4学期制導入へ 秋入学は当面見送り  日経新聞」でも、秋入学を採用している大学や学部はあるんだよ。いま、全国に700以上ある大学のうち、秋入学の募集をしている大学は60程度ある。(大学入学情報図書館RENAさんから引用 )

 


本当だ、こういう学校から選ぶと繁忙期の引っ越しはしないで済むかもしれないね。

 

 

4.私たちの生き方・働き方改革②就職


太郎くんが大学を卒業したら就職をするかもしれない。その時期はどうなると思う?

 


よく入社式のニュースが流れるのは4月1日とか春の時期だよね。

 


そうだね、新卒一括採用の入社時期の多くは4月だ。就職先がうちから通えない場所にある場合は繁忙期の引っ越ししが避けられないね。でも、今は企業の入社時期は多様になってきているよ。

 


そうなの?

 


例えば新卒で秋入社を採用している企業は着実に増えているんだ。

 


秋に入社する場合は3月に卒業した後、半年遊べるね。

 


例えばアメリカやヨーロッパの大学の多くは秋に入学して夏前に卒業する。そんな学生が入社しやすい環境づくりにもなっているんだ。遊ぶのもいいけど、その間にもっと学ぶこともできるよ。

 


そ、そうだね。その時になったら考えてみるよ。

 

 

5.私たちの生き方・働き方改革③転勤


転勤も繁忙期の引っ越しの1つだね。

 


この間、担任の先生が少し離れた学校に転任していったけど、単身赴任って言ってた。ちょうど3月末に引っ越しだから繁忙期だね。

 


企業によって期や異動の時期は違うけど、学校の先生をはじめとした公務員を中心に4月の転勤は多いと思う。でも、転勤を前提とした働き方も徐々に変わりつつあるんだ。

 


転勤ってなんで必要なの?

 


リクルートワークス研究所の転勤に関する研究によれば、企業が社員に転勤をさせる目的は3つあるそうだ。それは「①人材需給の調整」、「②人材育成効果」、「③マンネリ化を防ぐ」だと。

リクルートワークス研究所 Woks 134号より引用)

①人材需給の調整ってどういうこと?

 


たとえば、企業が全国展開していて、ある拠点で適当な役割のヒトが不足した時に他の拠点からヒトを移動させることがあるよね。

 


②人材育成のために、転勤が必要なの?

 


たしかに転勤が必須かどうかは議論がある。でも、仕事によってはお客様との関係が固定化しないようにあえて変化を促すことが必要なケースもあるみたいだね。そうやって「②人材育成」や「③マンネリ化を防ぐ」ことを目論んでいるようだ。

 


ぼくは転勤するような仕事をしたくないな。

 


そうだね。今、働き方改革の流れで、転勤を前提とする人事システム自体が見直され始めているんだ。ある証券会社は全国転勤型の総合職の他に地域限定型の総合職の採用を始めている。ある食品メーカーは転居を伴う異動を一時的に受けないよう申請する「転勤回避措置」を設けているみたいだね。

 


そういう会社がもっと増えるといいね。

 


引っ越し自体はこれからも減らないとは思うけど、転勤という形の引っ越しはもしかしたら減っていくかもしれないね。国立社会保障・人口問題研究所が5年に一度行っている人口移動調査では、「移動の理由は何か?」という質問項目があるんだけど、転勤を含む「職業上の理由」で移動している人の割合はだいたい13%台。91年 13.7%96年 13.7%01年 13.0%06年 12.8%

11年 14.1%

国立社会保障・人口問題研究所 より引用)

 

これから働き方が変わっていく可能性は高いから、将来、引っ越しくんが仕事をする頃にはこの割合が減っているかもしれないね。

 

6.繁忙期の引っ越しの対策


パパの言うようにぼくたちの生き方や働き方が変わる可能性はあるけど、来年の3月に引っ越しをしなければならない人は大勢いるよね。というより、パパが来年3月に転勤を指示されたら困るよね。

 

うん、確かにそうだ。

来春の繁忙期の引っ越しに向けて具体的な対策を3つ挙げておこう。

 

(1)組織に頼る


個人で立ち向かうのは大変だけど、組織に頼れば随分と楽になるはず。例えば進学による引っ越しの場合は、進学先となる大学生協などに問い合わせをしよう。各大学は、入学者の引っ越しをサポートするサービスを展開しているから相談した方がイイ。大学生協東京事業連合から引用)就職や転勤の場合は、内定や転勤の指示を出してきた会社に相談する。引っ越し会社の多くは法人契約の窓口を設けているし、大手企業であれば引っ越し会社と提携しているケースは多い。定期的に一定の引っ越しが発生しているのであれば、企業にとっても引っ越し会社にとってもメリットは大きいはずだから。 

組織に頼るのは一つ目の対策だ。

 

(2)とにかく早く見積依頼を進める


頼る組織がなくて、どうしても個人で対応しなければならない場合のキーワードは「とにかく早く」だね。どの引っ越し業者にとっても「3月下旬から4月上旬が繁忙期」なのは同じ。各社ともに「繁忙期は値引きが難しくなるのでお早めに予約をしてください」とアピールしているから、転勤や進学が決まったらいち早く引っ越し会社へ連絡しよう。まずは見積依頼からスタートだ。

 

(3)業者選びの一工夫とスピードアップ


確かに「とにかく早く」とは言われるけど、いざ個人で引っ越しを始めようとすると「どこに連絡をしようか」と言う話になる。そんな時のオススメは、いきなり引っ越し会社を選ぶのではなく、中立的に比較検討ができる「ラクッとNAVI」のようなサービスを活用すること。実際の手順についてはこの体験談を交えた記事が参考になると思うな。

 

最初のヒト手間が肝心。引っ越し業者選びの新基準 引っ越しラクッとNAVIの体験レポート )

 

 

7.最後に

「繁忙期の引っ越し」に関する一つのニュースを軸に、親子の対話を通じて引っ越し業界と働き方改革について考えてみました。

 

サービスを受ける私たちの立場からすると、どんなタイミングでも変わりなく業務を引き受けてくれる引っ越し会社というのはとても心強いです。しかし、世の中の流れには逆らえません。働き方改革のトレンドは引っ越し業界のみならず、あらゆる業界に波及しています。そして私たち自身にも変化を促しているようにも感じます。

 

そんな変化を感じ取りながら、引き続き、引っ越しに役立つ情報を様々な視点でウォッチしていきます。

 

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