せっかくの新生活、電気を変えてみよう!

新電力切替えの実践レポート

 

1.引越しは生活を変える大チャンス

引越しは様々なタイミングで行われますが、その後にはきっと新しい生活が待っています。住む場所が変わるのはもちろん、通勤・通学ルートや時間が変わり、新しい生活習慣に変えてみたり。引越しをキッカケに、住む家のインテリアを変えることを楽しむ方もいると思います。

 

2.引越し後の必須手続き

ところで、引越した後に必ずしなければならない手続きがありますよね。自治体への転居手続きといった公的なモノ、そして電気・ガス・水道・通信などのインフラ手続きです。

※詳しくは、役に立つチェックリストを佐藤さんが記してくださっています。参考になると思いますのでご覧ください。
・引越し準備と手続きの労力を減らす30のチェックリスト!

こうした新生活に必要な手続きですが、実は選択肢が増えてきています。

 

3.電気は自由化したけれど

ほとんどの方が契約する電気。実は自由に選べるようになっていることをご存知ですか。
以前は、東京など関東近県なら東京電力、東北なら東北電力など地域独占で選択肢はありませんでした。


(引用:資源エネルギー庁 電力の小売全面自由化って何?から)

ところが2016年4月から一般家庭の電力会社は自由に選べるようになっています。

(引用:資源エネルギー庁 電力の小売全面自由化って何? から)

メディアでも情報発信がなされていますし、「電力が自由化された」ことは知っていても、実際に切替えをした人は少ないと思います。

資源エネルギー庁が7月7日に公開した「電力小売全面自由化の進捗状況」の資料によれば、一般家庭(約6253万件)のうち、新電力へ契約先切替え(スイッチング)をした件数は全国で4.7%とのこと。多くないですね。

 


(引用:資源エネルギー庁 電力小売全面自由化の進捗状況2017/7/7作成

実際、5月に引越しをした私も電力自由化に興味はあったものの、切替えには至りませんでした。

 

4. せっかくの新生活、新電力に切り替えてみよう

さて、新生活を始めて数か月が経ちました。引越し当初に見送った電力切替えのことが頭をよぎります。数か月の生活を見ても、今の電力会社(東京電力)で不便はないですし、積極的に変えなければいけない理由もありません。

 

ただ、少し調べてみると「新電力だと金額が安くなるらしい」との情報もあります。それでも、なかなかアクションにつながらない。どうも、同じように考えている人は多いようですね。

 

電力・ガス取引監視等委員会による「電力小売自由化に関する消費者選択行動アンケート調査結果」によれば、電力の小売自由化は実に90%以上が認知しているものの、購入先を変更しない理由としては、
「メリットがよくわからない」(44.0%)
「なんとなく不安」(37.3%)
が挙がっています。

(引用: 電力・ガス取引監視等委員会による「電力小売自由化に関する消費者選択行動アンケート調査結果」 )

一方で、この調査結果によれば、料金プラン変更の満足度に関しては、変更者のうち、約90%(88.6%)の人が「自分がほしいレベル以上」と感じている、とのこと。

 

ん?メリットはありそうなのに、「わからなくて不安」だから採用しないのが多いようです。でも、それってモッタイナイ。こういうことは「実際にやってみる」のが一番です。
そこで、私が実際に電力切替えをやってみた様子をレポートしたいと思います。

 

5. 新電力に関する情報収集

電力自由化とは言いますが、実際に自分の住む地域でどんな選択肢があるのか把握できている人は少ないと思います。今回は東京近郊在住の私のケースを基に選択肢を探す過程を記します。

ちなみに新電力と言いますが、変わるのは「電力を供給する事業者」とその会社が提供する「料金・サービス」および「計測するメーター」です。

また、「電力を送配電する設備」は従来の事業者(関東近郊なら東京電力子会社の東京電力パワーグリッド株式会社)が提供し、電気の品質や供給の安定性や信頼性などは一切変わりません。また家にある「ブレーカーなどの電気設備」も一切変わらず工事も不要のようです。
(東京ガスの電力自由化を説明するページを参考にしました)

つまり電力に関わる設備のうち「供給(発電)」の部分だけを変える手続きであって、ブレーカーや近所を通る電線とかは変わらないということです。
イメージにするとこんな感じ。


(かわいいフリー素材集 「いらすとや」さんの素材をもとに作成しました)

では、どんな「供給事業者」がいるのか、調べていきましょう。

5.1 新電力の比較サイトで検討はできそうだ

まずは「新電力」でググってみると、新電力の比較サイトがたくさん出てきます。
【電気代見直し№1サイト エネチェンジ
サイト上で現状の電力使用の情報を入力すると選べる新電力の事業者をオススメしてくれます。

【新電力の総合情報支援サイト 新電力ネット
会員登録ができて、ユーザーのみならず事業者も合わせたポータルサイトを目指しているようです。

【電力自由化の電気料金を比較できる 新電力比較サイト
電力自由化に関する疑問に答える情報が多数掲載されており、現状の電気利用料を入力すると、利用料金の節約額の大きな順で新電力事業者を表示してくれます。

新電力PPSポータルサイト
地域ごとの新電力会社の一覧表が掲載されています。

検索上位に表示される比較情報サイトはこのあたりです。こうしたサイトを活用して自分の住む地域で選べる事業者を比較することはできそうです。

 

5.2 電力事業者が多すぎて選ぶのが大変!

しかし、住所などを入れて比較検討してみると、選択肢として表示される電力会社の数がすごく多い。比較対象があるのはいいのですが、なんだか選びにくいです。

そこで、、、元となる資源エネルギー庁の登録小売電気事業者のリストを見てみると、、、

なんと、2017年7月27日段階で409事業者もあるんです!
(よく見ると「登録だけ」でサービスを開始していない事業者も多いようですが、、、)

ザッと見てみると通信、エネルギー、商社、流通業、など私たちがよく知る企業名が並んでいます。ちょっと抜粋してみますね。

■通信関係
KDDI auでんき

ジュピターテレコム(J:COM)

■エネルギー関係
東京ガス

昭和シェル石油

JX日鉱日石(ENEOSでんき)

■商社関係
伊藤忠(伊藤忠エネクス)

丸紅(丸紅新電力)

■自治体関係
鹿児島県日置市のひおき地域エネルギー株式会社

あくまで私がパッと挙げたものだけで、いろんな大手企業、自治体の名前がたくさん並んでいます。そして、私が選べなかった「名前を知らない事業者」もたくさん並んでいるのです。これ、選ぶのがなかなか難しそうです。

 

5.3 どんなお得があるのかな?

選ぶためにもう少しだけ探ってみます。切り口は「お得感」です。

例えば近所に昭和シェルのスタンドがあって自動車を良く使われる方には、、、
昭和シェルの選べる電気はガソリン代が10円/リッターお得になります。


クルマを良く使う人にはメリットがありそうです。

ケータイ・スマホがauの人には、、、
auでんきはスマホ・ケータイと組み合わせることでキャッシュバックがあります。

auユーザーは採用するとメリットがありそうです。

ちなみに、携帯キャリアでいうとドコモは電力事業に参入していません。ただし、中部電力でドコモのdポイントとのポイント交換はしています。

ソフトバンクは「ソフトバンクでんき」を提供していますが、ケータイ・スマホと絡めたお得サービスはなさそうです。
ただし「再生エネルギーを中心とした発電所」という特徴がありますね。

いろんなやり方で各社は「お得感」を打ち出していますので、普段の生活に密接に関わる事業者であれば選ぶメリットが出てきます。

しかし、上に挙げたのはほんの一部です。「実はもっとお得」なのに、名前がわからず挙げられていない事業者があるかもしれません。勝手な憶測ですが、実はこの「多すぎて選べない」「違いが見えにくい」というのが、「新電力切替は4.7%に留まる」という最大の要因かもしれません。(違ったらごめんなさい)

 

6. 今回切り替えるのは「顔が見える」この電力会社

さて、「選べないで結局切り替えない」とこの体験談は終わってしまうので何とか自分に合った電力事業者を探そうと調べつづけました。

すると、一社、他とは違った切り口で情報発信をしている新電力事業者を発見しました。
それが、みんな電力です。

私が他と違うと感じたのは、「顔の見える電力」というコンセプトでした。
(®がついているので登録商標ですね!)

「顔の見える電力」として、どこでどんな人がどんな思いで発電しているのか分かるようになっています。


先ほど登録小売電気事業者のリストから、私が挙げた「他の事業で名前を知っている会社の新電力」は、「大きい会社だから安心」と考えることができます。でもそれ以上に「企業名よりも、このヒトがつくっている」と顔が見えることも安心と感じる大事の要素だと思います。

期せずして、とあるイベントでみんな電力の方の講演をお聞きする機会がありました。講演の中で
「消費は、その企業などを応援することにつながる」
との言葉がありました。相手の顔が見えると、単なる金銭の支払いが違った意味合いを持つようになるのではないかと感じます。せっかく毎月支払う電気代です。「大きな会社に支払う」のもアリですけど、「知っている誰かの役に立てる」となれば、気持ちが変わってくるかもしれません。そんな考え方に共感して、今回は「みんな電力」に切り替えることにしました。

 

7. 「やってみました!」みんな電力への切替手続き

ということで、みんな電力への切替手続きをしてみました!

(1)申込手順
申込手順はこんな感じ。

 

準備するのは現在使っている電気会社の電気使用量のお知らせです。
これが我が家の電気使用量のお知らせです。

我が家の場合、日中は出払っていて、家にある家電はテレビ・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・掃除機など。オール電化ではない家で、概ね一般的だと思います。先月は159kWhで4000円台でした。さぁ、この金額が電力切替えでどう変わるのかも楽しみです。

ココからの入力では、この紙の情報が必要になってきます。

(2)実際の申込入力
今回は、上段の「現在のお住まいで、、、」を選択します。

申込フォームに沿って入力をします。まずは契約者の連絡先情報です。

続いて現契約事業者の情報を入力します。

 

電力使用量のお知らせに記されていた「地点番号」などを記入してきます。うちの場合は現契約電気事業者が東京電力エナジーパートナーです。

続いては電気の使用場所や住所などの情報を入力してきます。

 

最後にクレジットカードを登録します。
みんな電力に限らず、決済方法がクレジットカードのケースは多いようです。

さぁ、これで入力完了です。
だいたい10分くらいで終わりました。「現行の電気使用量のお知らせ」と「クレジットカード」さえあれば迷うところはほとんどないと思います。

で、その日のうちに登録完了のメールが届きました。

お、基本料金が現契約と比べて安いプランになっているようで、楽しみですね。
この後は、先方から「利用開始日の連絡」が来て、切替になるのですが。

翌日。
今度は、開始日の連絡メールが届きました。

我が家の新電力は9月中旬からスタートで、電力の切替に伴う停電などは特に発生しないようです。

さて、実際に電力を切替てみるとどんなことが起こるのか?
費用は変わるのか? 何か困ったことは起こらないのか?

その辺りは、実際に使用した結果が出てくる10月以降に改めてご報告します。まさに体当たりの実践レポートで、書いている私も楽しみです。

 

新電力に関して、新しい情報が飛び込んできました。※2017年12月1日追記

新電力事業者の1つである、大東建託グループの大東エナジー株式会社が提供する「いい部屋でんき」が事業撤退するそうです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23875490U7A121C1TJ1000/

 

同様に、日経エネルギーネクスト栗原雅さんの記事も。

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/031400076/112200008/

こちらの記事によれば、

・今年6月時点で契約数26万件だが、今年8月に新規受付を中止

・11月以降、利用者に「事業停止に伴い他の電力会社への切替をお願い」する旨の通知が着々と送られているとのこと。

こちらの記事では、撤退の要因について事業者の視点で踏み込んで記されています。

 

慌てて大東エナジー株式会社のホームページを見ると、一目瞭然でした。

ここまでの経緯がトップページにすべて記されていますね。

 

 

さて、実際に電力の切替を迫られている方々には、切替を依頼する通知が実際に送られており、

 

地域に合わせて、『弊社独自で主な電力会社をエリアごとに記載しています』の但し書き付きで、切替できる電力会社の情報の付録も記されているようです。

 

さらに踏み込んで、例えば中部地域の場合には中部電力への切替の仕方についてのチラシも同封しているとのこと。

 

大手を中心に電力切替への情報提示をしている点、大東エナジーさんの対応は良いと思われますが、それだけでは不足する人たちもいるかもしれません。

 

電力・ガス比較サイト運営のエネチェンジは、いい部屋でんきのユーザー向けに「電力会社切り替えサポートページ」を設置して支援サービスを立ち上げたそうです。

 

私自身、今夏の引越しを契機に電力切替を実践し、その経過をこうして文章で公開しています。

 

新電力の実情を調べた際、「400社以上が新電力事業者として登録していて、中には事業を開始していないところもある」という情報に触れて、少し違和感を覚えていたのも事実です。

 

今回の大東エナジーの一件を考えると、切り替える先の事業者が「信頼できるかどうか」ということもキチンと確認しておく必要があるかもしれません。

 

今になって大東建託のIRを見てみると、今年3月の主要子会社として大東エナジーの損益の情報が出ていました。

単体はもちろん、他の子会社の多くが黒字の中で、大東エナジーの赤字は目立ちます。「今になって」見て気づくことですが、、、。

 

私は、既に用意された大手という選択肢ではなく、「自分で選ぶ」ことに魅力を感じて、新電力の切替をしました。

 

自分が納得できるところまで、いろんな情報を集め、検討する。そうやって手順を踏んだ結果として、「自分で選ぶ」ことが大事なのだと思います。

 

新しい市場なので、新たな動きがあるかもしれません。その時にはまた追記という形で補足をしたいと思います。

LINEで送る
Pocket

PAGE TOP